こんにちは、ぽてふみ♂です。
皆さん、水道料金が自治体によって差があるのはご存知ですか?私が住んでいる東京都府中市は、水道料金が安いことで知られています。
私もその恩恵をあずかっているのですが、どのように安さを実現しているのかが気になったため、今回調べてみました。
【基礎知識】水道料金について
まず、前提として水道料金がどのような仕組みになっているのか確認します。
水道料金は「上水道料金」+「下水道料金」
一般家庭が払っている水道料金は「上水道料金」と「下水道料金」で構成されています。
上水道料金は蛇口をひねって出た水のことで、下水道料金は台所やお風呂、トイレなどで流した排水のことです。
生活排水は汚れや不純物が混ざっていて、川などに流す前に浄化する必要があります。地下にある下水道を通って浄水場まで排水を運び、浄化する。その処理費用を負担しているわけですね。
東京都では檜原村や奥多摩町を除いた自治体でほぼ100%下水道が整備されているため、ほとんどの方は下水道料金を負担しています(下水道が整備されていない地域では、別途浄化槽などで処理する必要があります)。
府中市が安いのは「下水道料金」
東京の水道事業は、一部自治体を除き東京都水道局が行っており、上水道料金は一律に設定されています(口径20mmで20㎥利用で月額2,764円・税込)。
下水道料金は各自治体によって差があり、府中市は20㎥使用の場合、月額574円(税込)です。
色々なサイトで調査してみると、府中市は20㎥で892円と紹介されていますが、府中市HPで見ると、574円となっています。
私の家のお知らせを確認しましたが、23㎥で756円でした。府中市HPの情報で間違いありません。府中市の下水道料金がかなり安い部類に入るのは間違いないようです。
府中市に問い合わせてみた
人の少ない自治体が維持管理にコストがかかり、料金が高いのは理解できますが、安くなる理由がピンとこなかったため、調べてみました。
今回、実際に府中市の担当課に問い合わせたところ、「一般論の範囲」という但し付きで回答を頂きました。
理由① 処理施設を合同利用
府中市の大部分の下水道は、北多摩一号再生センター(府中市小柳町6-6)で処理していますが、この施設では国分寺市、立川市、小金井市、小平市、東村山市の下水道の一部も処理しています。
これにより処理費用の分担がされ、自治体単独の処理と比較してコストが抑えられるとのことです。
理由② 地形上の利点
府中の地形は基本平地であり、はけ(府中崖線)を通じて多摩川に接します。処理施設は多摩川沿いにあるため、府中北部から南部に向けて下水の自然流下が可能です。
これが盆地などだと、山などの高い場所を越えるためにポンプで下水を汲み上げる必要があり、設備投資・維持管理の追加コストが発生します。
上記の通り、府中市ではほぼ自然流下で処理されており、ポンプ場は市内に1箇所のみです(押立町ポンプ場、押立町4-27)。結果として、費用が抑えられていると考えられます。
筆者の考察・まとめ
府中市の担当者から回答をいただきましたが、確かに一般論の範囲ですね。
地形の件、合同処理の件とも周辺自治体にも当てはまるので、多摩地域の下水道料金が安い理由にはなりますが、その中での料金差には他の理由もありそうです。
小金井市の下水道使用料審議会会議録には、以下の記述がありました。
(浦谷会長)周辺自治体の中では府中市は下水道使用料単価が低いが、何か理由があるのか。(事務局)府中市は建設財源の起債額を抑制することで、結果として現在の下水道使用料 が低くても経営可能となっていることが考えられる。
小金井市 環境部下水道課業務設備係 「 第2回小金井市下水道使用料審議会 」(最終閲覧日:2019年2月7日)
https://www.city.koganei.lg.jp/kurashi/478/shiyoryo/kaigiroku.files/kaigiroku2.pdf
借金が少ない、ということですね。
この辺りは、引き続きリサーチしたいと思います。
今後について
現在や非常に安い下水道料金ですが、今後について府中市の担当者に伺ったところ「現状では収支バランスは取れている」との回答でした。近々に急激な料金上昇はなさそうです。
最後に市民・利用者として日々できることを伺うと「油を流さない」ことを伝えられました。
特に冬は油が固まり、詰まりが発生することで、最悪の場合はマンホールから汚水があふれたり、宅内に逆流したりする恐れがあり、清掃等の費用が余分に発生してしまうのとのことです。
これは府中市に限らず、皆で意識していきたい部分ですね。日々の快適な生活のために改めて心掛けます。
今回は府中市にフォーカスをあてましたが、他自治体についても改めて調査したいと思います。
それではまた!
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